#035-0008「ダイブツマン・最終回」2009年06月01日 18時36分49秒

作務を辞し、安念は叉手当胸にて庫裏へと向かった。庫裏の陰、時同じく掛塔する同夏、談念は待っていた。
互いに一瞥合掌、剃頭を低頭。眉目秀麗なる安念、皆を惹きつけてやまぬのはうわべだけではない。
「安念先輩、僕は人間じゃないんだ。ダイブツマンなんだ。たまげただろう?」
「うぅん、談念が人間だろうと人間じゃなかろうと、談念は談念だもの」
「ありがとう安念、明けの明星が輝く頃、天竺にひとつの光が旅立つ。それが僕だ」
「待って、談念、行かないで!」
「新宿がピンチだ!大魔獣シックとハックが大槌振るって都庁舎ビルでダルマ落とししてるんだ!」
「行かないで、談念。新宿アルタ前はもう焼け野原。それに」
「それに?」
「規定によって、このお話はあと五百字しかないの」
「そんな・・・五百字で大魔獣とくんずほずれつの大格闘、感動のエンディング、天竺へ旅立つ・・・書き手の筆力では不可能だ」
「それが文章塾の掟、八百字超えは許されないの」
「じゃあ、じゃあ、次回文章塾で最終回の続きをやればいい」
「だめなの、談念、今回で文章塾は最終回なの」
「そんな殺生な~そうだ、この最終回の続きを新文章塾でやろう。格闘シーンから八百字ならなんとかなるぞ!このままでは破壊し尽くされてしまう!新宿が!東京が!日本が!いや世界が!世界を救うためにいつの日か必ず文章塾再開を希望する!!このままじゃ何の恩返しもできてない」
「談念!文章塾!あなたは絶対に帰って来てくれる!私のため、みんなのために、必ず!」
談念は結跏趺坐を組み、施無畏与願印を結んだ。
仏説摩訶般若波羅蜜多心経~
般若心経を唱えると、全身を光が覆う。見る見る巨大化、盧遮那仏と化す。
鼻穴をくぐれそうな巨躯、ダイブツマンである。
徐に立ち上がる。見上げる安念。陽射しを浴びた金色の雄姿があまりにも眩しい。
ダイブツマンは安念を目に焼き付け、ひとつ頷く。
デュワッの掛け声で飛翔、新宿へと向かった。
(つづく)

(文字数:800)
名前:

コメント

_ ヴァッキーノ ― 2009年06月01日 22時13分30秒

あぶねえ、あぶねえ(汗)
ボクも文章塾が続いてほしくて
次回に続くってのをやろうとして、何度も手を止めました。
いままで、ボクはこの800字越えに何度となくチャレンジしてきたわけですが、
つまり、読んでくれた人のコメントが、作品の一部と化してしまうとか。
途中で「この文章は800字を超えたため掲載されませんでした」とか。エンドレスに文章がぐるぐる続くとか。。。
そういう悪戦苦闘が思い出される、実験的な内容に
ビビってます。
とにかく、これほどのエンターテイメント!

こうなったら、コメント欄に続きを書いてください!

_ ウラジーミル・コマ子 ― 2009年06月01日 22時16分00秒

ぼくも含めてマグロになりがちな参加者たちに文句もいわず、精力的に盛り上げてくださった方の作品だと思いました。もうお礼をいうには遅すぎますが。けしてきわまらない、陽気なサリンジャーのようなあなた。またお会いできれば嬉しゅうございます。

_ ukihaji-12 ― 2009年06月02日 18時15分43秒

文章塾への名残は尽きない。長い間楽しく勉強させて頂きました。塾長様を始め関係諸氏・塾生間の切磋琢磨と沢山の皆様に感謝申し上げます。亦何時の日にか、巡りあえる日を楽しみにしています。

_ おっちー ― 2009年06月03日 00時50分28秒

 文章塾終わるなー!
 という思いは皆同じです。
 でもこの場所で皆が感じた、「気持ちの向き」は廃れない。永遠に刻み込まれていると思います。
 それを証明する為に、今回はいつもの倍の投稿が集まりました。
 皆寂しいけど、変わってないよ、皆塾生だよ、って言ってるような気がするんです。
 だから、僕達がいる限り、文章塾はいつか復活するんじゃないかと、僕は信じているのです。
 だから「(つづく)」は実現すると思うんです。

_ 百吉 ― 2009年06月04日 11時29分30秒

わはは。
実写で見てみたい。
つづき、期待しています。

_ なぎさひふみ ― 2009年06月04日 18時06分59秒

 「なにっおのれが仏になりやがって。」
 ここは宇宙味減いえ亜次元空間地下31.5分の1の秘密指令所。
 「大佐、失礼致します。大佐申し訳ありませんが、事情はそうでは無いようです。」
 「なにがじゃ」
 「そのですね」
 「いやもう遅い」
 「でもこれからが」
 「わしはお前に命令する」
 「杯いえハイ」
 「お前には日本に燦然と輝いている文章塾に潜り込み、私の秘密をバラスのじゃ、いや私の命令を果たすのじゃ。」
 「なんでしょう、大佐」

_ 木の目 ― 2009年06月06日 17時19分06秒

ダイブツマンさん
・・・号泣

感動のラスト、ありがとうございます。
あ、(つづく)になっている。

どーしたらいいんでしょーか、
きのめ大ピーンチ!
ダイブツマーン、たすけておくれ~!

_ よっぱ ― 2009年06月06日 17時51分10秒

「デュワッ」がいいですね~
懐かしいウルトラの響き♪

きっとダイブツマンはこのあと新宿から太陽に向かって飛んでいったことでしょう。あっ、それはロボットか… ^^:

_ おさか ― 2009年06月06日 19時30分03秒

ダイブツマンは新宿モノリスビルの上空から、
暴虐の限りを尽くす大魔獣シックとハックに向かって
急降下していった

ダイブツマンの指先がしなやかに宙を舞った


眩しい黄金色の光が爆発!
そこにいたすべての人々の目を射抜いた
光は徐々に弱まり、やがて静寂が訪れた
人々が目を開けたそのとき・・・・

(つづく)

_ just4U ― 2009年06月07日 12時45分47秒

「さぁ、投票しましょっ、ダイブツマン!」
(by just4U)

_ つとむュー ― 2009年06月07日 22時21分54秒

>「ありがとう安念、明けの明星が輝く頃、天竺にひとつの光が旅立つ。それが僕だ」

その前の談念のセリフでは、安念のことを”安念先輩”と敬称をつけて呼んでいるので、ここで”安念”と呼び捨てにするのは失礼にあたるのではないでし・・・・・

あぶねえ、あぶねえ。よく見たら、これは、ダン隊員とアンヌ隊員のパロディではないですかっ!(汗)。つい、真面目にコメントしてしまうところでした(モロボシ・ダンがアンヌに向かって、”先輩”と呼んでいる最終回なんて、とても想像できませんね。笑)

タイトルも、”ダイブツマン・最終回(前編)”の方がいいんじゃないかと一瞬思いましたが、そうすると最後の”(つづく)”が生きてこないので、これでいいような気がします。

ええい、なんか突っ込むところはないかっ!?そうだ、セブンのパロディなら、ダイブツマンよりもダイブツセブンの方がいいのではないかと・・・(笑)

_ マロ ― 2009年06月07日 23時59分13秒

最後のお祭りらしくて、これもいいなぁ。
ばかばかしさを際立たせつつ、終わらすまいとする声も織り込む。
ダイブツマン、奈良の遷都歳にもぜひ登場して欲しい(笑)

_ 蝶子 ― 2009年06月11日 08時57分03秒

ダイブツマンって……そう来たか(脱力)
どんなことでも思いつくんですねえ(諦念)
以上。

_ 矢菱虎犇 ― 2009年06月12日 01時24分11秒

仏教の言葉とかわかりにくかったのでエクスワードやらウィキなどを使って、自分なりに調べてみました。ダイブツマン作者さん、まちがっていたら、教えてください。

作務(さむ)・・・禅寺で修行の一環としておこなう日常生活の仕事。掃除や食事の支度など。
叉手当胸(さしゅとうきょう)・・・禅寺を歩くとき、両手を胸の上で重ね合わせる所作。
庫裏(くり)・・・大規模寺院における、僧の生活する棟。台所、事務所なども兼ねることが多い。
掛塔(かとう)・・・僧堂へ入門すること。
同夏(どうげ)・・・時期を同じくして入門した同輩。
天竺(てんじく)・・・インドの旧名。西遊記のゴール。
結跏趺坐(けっかふざ)・・・両足裏を上に向けた胡坐。
施無畏与願印(せむいよがんいん)・・・右手の平をかざした印相と、左手の平を上に向け膝に置いた印相。
盧遮那仏(るしゃなぶつ)・・・東大寺大仏の正式名称。
大魔獣シック・・・大魔獣のうちハックでないほう。
大魔獣ハック・・・大魔獣のうちシックでないほう。
ダイブツマン・・・正義の味方。サイズは奈良の大仏と同じ。全身金箔貼り。必殺技は仏壇返し。

_ ダイブツマン ― 2009年06月13日 06時49分01秒

ヴァッキーノさんへ
ヴァッキーノさんも「つづく」で来るんじゃないかなぁ?って、私もドキドキしていました。
800字でできることのチャレンジの数々、凄いです!そのへんに影響受けて書いてみました。
私はエンターテイメント派なので、セブンのパロディ&「つづく」の手でチャレンジです。楽しんでいただけたら嬉しいです。

ウラジーミル・コマ子さんへ
もし私がコマ子さんの思われている人物でアタリだとしたら、私は嬉しいです。だって「陽気なサリンジャー」って自分には勿体ない賛辞です。大学生の頃、サリンジャーの初期短編集を何度も何度も読んでいましたから・・・。似ても似つかぬ文章を書いていると思っていましたが、サリンジャーに耽溺していた過去を感知されたとしたら、なんたる慧眼でしょう!・・・人違いでないことを祈るばかりです。

ukihaji-12さんへ
文章塾の意味を私は十分理解できずに投稿していたし、今回もしていたと思うんです。今の今まで殆ど投稿しっぱなしだったのですから。投稿した後のコメントのやりとりこそ、自分を成長させ、お互いを高めあう本当の舞台だったことを今になって感じているのです。ああ、自分の文体ってこうなんだな・・・自分はこういう書き方で行くべきなんだな・・・そういう発見ができたのは、文章塾のおかげですし、文章塾で知り合った方々のおかげなのです。本当にありがとうございました。ご恩に報いる術がないのが心残りです。

おっちーさんへ
自分は文章塾に寄らせてもらうようになって最近まで作品を読むことに終始して殆どコメントは読んでなかったのです。でも読めば読むほど面白いですね、コメントの応酬。そして文章を書くときの参考になることがいっぱいつまっていると思うんです。文章塾はひとまず終わるみたいなのですが、私のような者のためにもぜひサイトの存続、または何らかの形での保存をしていただいて、ひもとけるようにしていただきたいなあ・・・
(つづく)の先は、やはり新文章塾で。そこでまたお会いしましょう!!

百吉さんへ
百吉さん、コメントありがとうございます!
百吉さん、このお話の実写をイメージしてください!変身シーンにいたるまでのほぼ全編に渡って、キラキラの湖面の輝きを背景にした、安念と談念の横顔ですよ!ウルトラセブンの最終回のアンヌ隊員にモロボシダンが正体を告白するシーンそのまんまなんですから・・・クリクリ頭の美少年が向き合うシルエットは、ほれはほれで素敵かもひれまへん。

なぎさひふみさんへ
焼津の半次「旦那、花山の旦那!」
花山大吉「なんだ半次!旦那なんだ、なんだ旦那と五月蝿いぞ。静かにせんか!」
半次「とこしえのオカラに儚き愛を熟成ブレンド、刹那の閃光にシャックリ、漆黒の宇宙へとドットコム・・・」
大吉「な、何を言ってるんだ?半次!」
半次「ヒェェェェイ!クモだ!クモが出たぁぁぁ!」
・・・私、この程度なんです・・・泣。

木の目さんへ
悲しいとき・・・辛いとき・・・現実を真面目な顔で受け入れることができずに笑ってしまったり、無理に平気を装ったりしてしまいます。映画を観に行って、涙が出てきそうな時、彼女にバレないように必死でこらえて、頭の中で馬鹿馬鹿しいくらい陽気なマーチを思い浮かべてしまう・・・
だから、文章塾が終わるとき、私はダイブツマンみたいなのを書いてしまうんです・・・

よっぱさんへ
うんうん、やっぱりウルトラセブンはデュワッですよね。
大魔獣シックとハックが爆発したら地球が消滅してしまうことを知った、ダイブツマンはシックとハックを抱えて飛び立って、太陽に消えていくわけですね。ギロチン帝王を抱えてジャイアント・ロボがしたように・・・。チビッコの頃、あの最終回、泣いちゃったなぁ。よっぱさんも、大作少年と南隊員と一緒に泣きました?

おさかさんへ
黄金の光のあとに何が?・・・モノリスビルが出てくるだけでイメージが荘厳になるんですね~!「ツァラツストラはかく語りき」が天空から響いてきそうな感じです。
人々が目を開けたそのとき・・・
(つづく)
うわぁ!ここで切られちゃうとは、泣けてくるくらいの寸止めです。
こんなサディスティックな切り方ができるのは、おさかさんか、クイズミリオネアのみのもんたですね。
ひ~・・・続きを~!
お、お願い~!

just4Uさんへ
ダイブツマン「何度もじっくり読んで投票するブツ。締切ギリギリにしようと思っていたブツにぃ。」
ブツブツ言わずに投票しなさい。
ダイブツマン「わかったブツよぅ。投票するブツ。」

つとむューさんへ
作者「安念と談念は時を同じくして仏門に入った同夏なので、先輩と呼ぶのはおかしいのですが、思わず先輩と呼んでしまう、その一言から外の世界でも二人はボーイズラブな先輩後輩関係にあったことがわかります。ということは苦悩の末に仏に帰依した安念を追って、諦めきれない断念も山門に入ったという、バックボーンが明らかになります。この点がダイブツマンのストーリーに厚みを持たせていることに気がついたつとむューさんは実にシャープな・・・」
ダイブツマン「ブツブツ言ってないで素直に推敲段階で『先輩』の二文字を削るのを忘れたことを白状するブツ!」
作者「ゴメンナサイ・・・やっちゃいました」

マロさんへ
ある方は手紙形式で、ある方はストレートに気持ちを吐露して、ある方は敢えて普段どおりのフィクションで・・・皆さんそれぞれが文章塾最後の投稿作を最も自分らしい方法で取り組んでいらっしゃる。そして自分はエンタテイメントな作風が相応しいと思ったんです。今後もこの路線を発展させていこうと思っているんです。文章塾のおかげで書くことを始め、自分なりの書き方を見つけつつある者として、最後はやはりお祭り的な楽しいもので終わるのがいいと思いました。

蝶子さんへ
どんなことでも思いつく・・・いや、その・・・ヘンテコだけど、こんなノリが好きなんです。ウルトラマンとか仮面ライダーとかの正義のヒーロー番組って、悲しいくらいに自分の根源的な部分になっているんです。そして、そういうお約束の流れが誰にもわかっているストーリー展開に乗せて、主張や気持ちを語るっていうのもいいかなぁ、なんて。

矢菱虎犇さんへ
詳しいコメントありがとうございます。鉄槌の方でなくてよかったです。「コノコノ鉄槌」は歓迎していますよ。

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