#035-0001「失フ」2009年06月01日 18時32分53秒

 幼い頃、定規で遊んでいる内に折ってしまった。
 何故あの時、僕はあんなに悲しかったんだろう
 あんなに涙が出たのだろう

 初めて人の死に出遭ったのは、小学4年生の事だった。
 顔の上に掛けられた白い布を見ても、その下の黄色い皮膚を見ても、悲しくはなかった。
 むしろ夢中になって従兄と遊んで、母に泣きながら怒られるくらいだった。
 その母の涙に、初めて祖父の死の悲しみを感じた。

 失恋したのは、小学3年の時が初めてだ。
 失恋というより、相手にもされなかった。
 悲しくなかったから、それ程好きでなかったのかも知れない。
 本格的なのは、予備校生時代の冬。
 恋人が出来たと聞かされて、ショックで何も手につかなくなった
 本当に好きだったんだ。

 人は心を遷したものを失うと、悲しい気持ちになる。
 とても とても

 だから変わる事は、別れは、切ない。

 新しい周囲に自分が慣れるまでは時間を要する。
 自分が変わるまで。
 失ったものを過去に出切るまで。

 それでも僕は全ての過去を見送ってきた。
 悲しい事だろうか。

 抱え切れなくなって全てのものを放り投げたこともあった。
 責められる事だろうか。

 前を向く度に、新しい色のペンキで上から塗り潰してきた。
 現在の僕は、「今の僕」というものにしか見えない。
 じゃあ僕の過去は、失くなってしまったのか?
 僕は時々掘り返して見る。
 すると、奥深くの地層から地表まで、染み出しているものがある。
 それは嬉しい事だった。

 今が全てだけど、
 全ては今だけじゃない。

 繋がっている……
 それは嬉しい事だ。


 笑顔に為った。
 その表情には、君の全てが詰まっているんだね。
 憎らしくなって、切なくなって、僕は頬っぺたを引っ張った。
 君は表情を崩すけど、やっぱり笑顔なんだ。
 つられて、僕も笑顔なんだ。
 いつかは、僕も、変わる。君も、変わる。
 その時も、笑顔でね。
 全てが詰まってるって知ってるから。
 泣きそうになる笑顔にも、世界が全部が詰まってる
 その涙は拭えないけど、いつまでも
 さよなら。
(文字数:799)
名前:

コメント

_ ウラジーミル・コマ子 ― 2009年06月01日 21時06分56秒

きれい。整っている。ひとそれぞれに人生があり、失ってきた歴史がある。それの、ここでまたひとつの変奏に出会った印象です。失うことの切実な体験が詩的にすくいとられていて、水中花でも見るような気分になれます。ぼくとしてはもう少し肌触りが……、と思いましたが、無い物ねだりかもしれません。

_ ヴァッキーノ ― 2009年06月01日 21時28分06秒

いくつか、心に残るフレーズがありました。
散りばめられているんですね。
具体的なようで、一般的なようで
だけど、それぞれに特別な。
たくさんのおはじきの中に、ビー玉があるような。

_ よっぱ ― 2009年06月02日 10時34分57秒

前を向く度に、新しい色のペンキで上から塗り潰してきた。
現在の僕は、「今の僕」というものにしか見えない。

この部分が一番好きです。
「わかる、わかる。でも…」
というような感じ。素敵な一文だと思います。

_ ukihaji-12 ― 2009年06月02日 12時57分55秒

全編を通してユニークな詩的表現が何とも素晴らしいく、作品の品位を高いものにしている作品だと思います。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月04日 08時28分02秒

ウラジーミル・コマ子 さん

 良い評価を美しい一文で頂けて二重に嬉しいです。ありがとうございます。
 コマ子さんのような滑らかな肌触りの文章を書けたらもっといいとは思うのですが……作品となると、考え過ぎたり、いじり過ぎたりして、なかなか難しいですね。
 ありがとうございます。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月04日 08時37分57秒

ヴァッキーノ さん

 コマ子さんに引き続き、大変美しい、それこそきれいに整ったコメント文です。一篇の詩を見るようで恐縮です。ありがとうございます。
 自分としては最高に近いくらい嬉しいコメントです。

> 具体的なようで、一般的なようで
> だけど、それぞれに特別な。
> たくさんのおはじきの中に、ビー玉があるような。

 本当に良いコースを突いた、美しいコメントですよね。
 しかもそれって詩を書いた人間としては目指している事そのままですから……嬉しいです。ありがとうございます。

_ 百吉 ― 2009年06月04日 10時47分34秒

切ない表現がすてきです。
実は読んでいて、「あ、私が言いたかったことと同じだ!こういう風に表現すれば良かったんだ〜」と、悔しい思いをしました。
最後の段落だけ抽象的ですね。
ここも具体的な表現が入るとパーフェクトだったと思います。

_ なぎさひふみ ― 2009年06月04日 16時10分47秒

 世界の中で、ある意味世界の外で。
 存在の悲しみとは、その行為ではなく、それ自体の持つ矛盾みたいなものなのでしょうか。
 
 ひょっとして存在は結果でしょう。原因は喜びか悲しみかではなく、映し出される幻影を感じようとする愛の慈しみかもしれない。

_ マロ ― 2009年06月04日 23時57分59秒

 最近、あちこちの新聞などで、人間の細胞は1カ月ほど(だったかな?)で、ごっそり新しいものに入れ替わるという事実が、盛んに書かれていました(誰かの本の宣伝記事だったかも??)

 「今の僕」は、過去からの継続でもあり、全く新しいものでもある、という二律背反が、なんとも不思議な感覚でした。

 この文章で伝えたいことと、この感覚は、とても似ていると思うのであります。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月05日 11時50分08秒

よっぱ さん

 よっぱさんにとってのキモが分かって嬉しいです。
 文章、人それぞれ心に引っ掛かる部位は違いますよね。
 そこを伝えて頂けると、読者さんの心に少し触れられた様な気がして、楽しくなります。
 「素敵な一文」とのお言葉、大変嬉しく受け取っています。
 ありがとうございます。

_ おっちー ― 2009年06月05日 11時53分39秒

ukihaji-12 さんへ

 「作品の品位を高いものにしている」なんてお言葉を頂いてしまうと、ひたすら恐縮で照れちゃいますが、「何とも素晴らしいく」というお言葉と共に、最上級に嬉しくコメントを頂いております。
 ありがとうございます!

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月05日 12時04分03秒

百吉 さん

 お久し振りです!
 今回は作品投稿されてるんですか?
 最後ですし、百吉さんの作品が読めたら嬉しいんですが……
 もっとももう投稿作品は全て読み終えたので、投稿されているとしたら、既に読んでいるという訳ですよね。
 まあどっちにしろコメント頂けただけでも嬉しいです!

> 悔しい思いをしました。

 うふふ、勝ったあ。なんて。
 詩を作る人間としては、皆が感じているけど言葉になっていないところを、うまく突っつき出して形にして、共感して貰う……というのが目指している所ですから。百吉さんのこのコメントは最高級に嬉しい訳です。
 今回嬉しいコメントばかりで、感謝、感謝をしています。

 最後の段落ですか~
 これはどうしても、物語的要素をこの作品のどこかに埋め込みたかったんですね。
 それで、字数もギリギリの中、何とか滑り込んだ結果が上の文章なのです。
 ちょっと無理は出ていますよね。

 コメントありがとうございます!

_ 作者 ― 2009年06月05日 12時07分00秒

 あぁあぁあぁあ~~~~~
 誰か消して~~~
 最後なのに、僕らしいと言えば僕らしい(大学の頃のあだ名は「うっかりおっちー」)が、うわ~~~~ん!!!
 大変しっつれいを致しました。
 この事は無かったつもりで、何事も無かったかのようにこの先進めさせていただきます。!!!

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月05日 12時21分49秒

なぎさひふみ さん

 あれですよね、なぎささんのコメントを頂くと、自分の文章もう一回読み直しますよね。
 全く「なぎささん的」観点から指摘して頂けるので、「どこのことをこうおっしゃってるんだろう?」とか、「この言葉の真意は?」とか、自分の作品の、特に背景になっている考え・思いを見直す・再発見するきっかけになって下さるので、とてもありがたいです。

> 存在の悲しみとは、その行為ではなく、それ自体の持つ矛盾みたいなものなのでしょうか。

 そうですね、だから悲しみって尽きないのかも知れません。存在する限り、悲しみは付き纏うんでしょうか。
 身体の何処かに、あるんでしょうね。

 僕の文章を、「なぎささん的」に捉えて下さっている事が嬉しいです。コメントからそれを感じました。
 ありがとうございます!

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月05日 12時29分59秒

マロ さん

 これまたお久し振りです!
 お元気ですか?……多分元気でいらっしゃる様で何よりです。

 とってもマロさんらしく、「理数系」の捉えかたをしてらっしゃるところが興味深いです。
 カチン、と区分けが為されていて、頭の中はクリアーなのでは?と想像さえしてしまいます。

 そうですね、マロさんはそういうところに注目するんだな。
 面白いです。
 どうぞ皆さんの心に引っ掛かった所を教えてください。
 よろしくお願いします。

 マロさんありがとうございます。

_ 木の目 ― 2009年06月06日 10時34分48秒

「失フ」作者さんの投稿は第5回「雪」からだったでしょうかね。
書きたいこと、伝えたいこと、自分の思い、それらが瞬時で入れ替わるので、わたしのような古いタイプの読み手には理解不能だったように思います。
いまの流行は、キャッチーなわかりやすく見えるみみざわりのいい、見た目重視のことばの羅列だと思います。
その結果、KYだの符丁で敵味方を分けてしまうのではないかとわたしは考えています。
思いをことばにするのは、いろいろな組み合わせから選び出す作業があり、動物にとってはたぶんものすごく脳のエネルギーを使うことなのだと思います。
そしてさらにことばを使って思いを相手に伝えることは、天文学的数字の種類の組み合わせから選び出す作業になり、しかもそれが相手に伝わったかどうかは検証できない場合もあります。
それゆえ、ひとりよがりの独善的主張に陥りやすくなり、使用したことばの羅列を否定されると、全人格を否定された気になり、攻撃的になってしまいます。
「失フ」作者さんにはお会いしたことがないので、あくまで想像の範囲ですが、ここでの書くという行為が文章をうまく書けるようになったということよりも、もっと大事なものを得たように感じています。
たいへん差し出がましいコメントで申し訳ないと思っています。

_ おさか ― 2009年06月06日 13時33分17秒

コメント行脚、ひさびさにいきまーす
くすくす、とっぱじめに自爆、くすくす(鬼

さて、全体としていい感じにまとまっております
「失フ」作者さんのいいところは、若さと新鮮さ
未熟である部分をはっきり自覚して、前に進んでいこうとする姿勢にはとても共感を覚えますし、応援したくなる爽やかさがあります

でも最後でちょっと、照れが入りましたね?
この「君」も作者自身なのでしょう、ここをもうひとつ突っ込んでほしかった
作者が照れると、読者も照れてしまいます(笑
リラックスですよ♪

_ just4U ― 2009年06月06日 21時33分46秒

今が全てだけど、
全ては今だけじゃない。

繋がっている……
それは嬉しい事だ

これは、この詩文は、おそらく作者が一番、
伝えたかったことじゃないですか?
とっても美しいです。
生と死の旅立ちについて、普遍的であって、
しかも、
この文章塾でのコミュニケーションの
過去・現在・未来 を語っているようで、
参加者にとっての共感が、そのまま、
詩になって出てきたものだなぁと、
感じました。
自分がコメントを書き込んでいる時、
相手がコメントを書き込んでいる時、
お互いが、それぞれを閲覧している時、
ネットで繋がっている。
これは、それ以上の出来事で、
思いも繋がっている。
「失フ」ことで、気づくこともある。
素晴らしいことですね。恐縮ですぅ。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月07日 12時35分23秒

木の目 さん

 木の目さんには特に文章塾において、本当にお世話になりました。
 特に僕が文章塾にデビューしたての頃は、木の目さんの存在が無ければ文章塾に投稿し続けることを挫折していたかもしれない、と思うほどです。

> たいへん差し出がましいコメントで

 とんでもないです。ただ、感謝感謝です。

 木の目さんをはじめ、皆さんのお陰で大事なものを得ることが出来ました。これは本当にそう思います。
 そしてそれはこれからも、変わらないことだと思っています。
 ありがとうございます。
 そしてこれからも。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月07日 12時48分36秒

おさか さん

 鬼っ

> とっぱじめに

 えーそーですよ、自爆しちゃいましたよ。もうこの返信コメント書く時に名前書くのが馬鹿らしくって馬鹿らしくって。
 でもその割にもう自爆しないように、って注意しながら入力している自分もいるんですよね。今更ですよねえ。不思議。

> いい感じにまとまって

 おぉ、そうですか。良かった。

> 応援したくなる

 えぇっ、そうですかあ? それは嬉しいですう。くねくね

> 最後でちょっと、照れが入りましたね?

 そうですか? あまり自覚は無かったです。
 ただ最後だけ、ここまでは全部自分に近いところから発信している文章なのに、最後だけはちょっと借り物のイメージから引っ張ってきてるんですよ。
 その少しそれまでよりは離れた(僕と文章が)距離感から、そういう風におさかさんへ伝わったのかも知れませんね。

 というか最後だけそれまでと違う感覚で書いちゃったのかなあ。
 まあ最後の段落の狙いとしては、それでいいんですけどね。
 うーん、でも突っ込まれると、気になる気になる……

 まあなにはともあれ、

 ありがとうございます!

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月07日 12時57分12秒

jus4U さん

 僕の正体お分かりになりましたでしょうか。
 意外と普通にコメント書かれているので……もしかしてまだ気付いてないなんて事は……ないですよね。

 さすが達眼だなあ。いいとこ突いてきますねえ。
 確かにそう自覚しています。
 そこが、今回の肝です。

 頂いたコメントについては、もうひたすら恐縮なのですが、最後の

> 「失フ」ことで、気づくこともある。

 これがいい言葉で驚きました。琴線に触れました。
 素晴らしいです。お世辞でなく。

 本当にありがとうございます。

 ガンガンコメントも頑張ってらっしゃいますね!
 僕も追いつくように頑張りますよう!!

_ つとむュー ― 2009年06月08日 13時01分26秒

>今が全てだけど、
>全ては今だけじゃない。

いい言葉ですね。
僕も、祖父が亡くなったのは小学校4年生くらいの時でした。
僕の子供達も、この作品のようにいろんな悲しみにぶち当たることでしょう。
その時にかけてあげたい言葉だなあ、と思いました。

>恋人が出来たと聞かされて、ショックで何も手につかなくなった

この部分、作者の経験をそのまま書かれたのだと思いますが、ショック感があまり伝わって来ないような気がしました。
もしフィクションを織り交ぜても良いのであれば、ここは単純明快に、”恋人がいると聞かされて”とか、”恋人と居るところを見かけて”という風の方が分かりやすいかな、と思いました。

作者はすでに自爆されていますが、自爆がなければその作者だとは全く気づかなかったです。ずっと、誰だろう!?と思っていました。というのも、1番を狙っていたのに取られてしまったからですよ、もう、くやしいです!(笑)

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月08日 18時20分53秒

つとむューさん

> その時にかけてあげたい言葉だなあ、と思いました。

 わあ、嬉しいです。そんな風に思って頂けるなんて。
 大袈裟に聞こえるかも知れませんが、夢のようです。

> ”恋人がいると聞かされて”とか、

 う~ん……ビミョウですねえ。
 僕はその彼女の恋人の顔は知りませんし、2人でいるところを目撃した事もありません。
 この内容で、あんまりウソはつきたくないんだなあ……
 あくまで作者的な「我侭」なのですが。
 あと、最初に彼女と出会った時には彼氏はいなくて、アプローチするようになってからかその近辺で、恋人が出来た、というところが自分的には崩したくないところなので……うーん、どうなんでしょう?
 デリケートな演出の部分なので、難しいです。

> もう、くやしいです!

 イエーイ(笑)
 つとむューさんも狙われてましたか、1番目。
 最後ですからねえー。
 僕も絶対最初に読んで貰うんだ、で、なるたけいいものを読んで貰うんだ、ってかなり力入ってましたから。
 投稿した後も、「発表から少し遅れたからなあー。1番になってるかなあー?」って気が気じゃありませんでした。

 ありがとうございます!!!
 そしてこれからもよろしくお願い致します。

_ 蝶子 ― 2009年06月10日 06時21分02秒

書き手の思いが詰まった素直な文章です。
人柄がよく出ていると思います。
なぜタイトルを「失フ」とされたのですか?
(コメント中で説明されていたらごめんなさい、目を通していないので)
「失フ」のもつ透明な感じ(これは私の印象ですが)が、本文にはあまり出ていないように感じました。
ただしこれは話が逆で、本文の内容を映したタイトルであればもっとよかったな、ということです。
また、

>繋がっている……
>それは嬉しい事だ。

の、「それは嬉しい事だ。」はなくてもいいとおもいます。なんかここだけ、説教臭いの。(ごめんー。笑)
最後のほうはきれいにまとめようとした感があります。字数を意識してのことと思いますが、そういうときは最初から何度も推敲すべし、です。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月10日 10時12分32秒

蝶子さん

 参ったなあ、さすが、達眼でらっしゃる。
 確かに今回、タイトルと作品内容はあまりリンクしていません。
 もっと正確に言うと、最初付けたタイトルは内容から生まれたものだったのですが、タイトルだけ独立してかっこ良くしようとして、何度か修正を加えたのです。
 やっぱりかっこつけようとしたり、「誠実さ」を欠いた事をしようとすると、分かる人には分かってしまうんですね。反省します。

> それは嬉しい事だ。

 うーん、これも説教というつもりはなくって、自分の思いを素直に書いただけのつもりだったんですけどもねえ~
 何だろう、捉え方でしょうか。
 ここを崩してしまうと、僕がこの文章を書く動機自体が揺らいでしまう気がするんです。
 ですから、ここに関しては、あんまり気にしないようにしますね。すみませんです。

> 何度も推敲すべし

 はい、確かにきれいにまとめようとしました。
 しかも言葉使いのチェック以外はほとんど推敲していません。今回は。
 ちょっと最近、推敲する、ということに疑問を持っていまして、推敲すると、ライブ感、というか書き手の息遣いを消してしまう気がしているのです。
 そもそもそういうことを考え出したきっかけは、ヴァッキーノさんの文章を書くときの姿勢でした。 
 じゃあ、推敲しないのなら、どうやってより良い文章を書けるような書き手に成れるのか。
 もちろん、テクニック的な部分の、推敲はするんですけれども。あと字数合わせとか。
 でも基本的なところは生のままで、良い書き手に成るには……結局、自分を磨くしかないんだと思うんです。
 究極、アドリブで生み出すものが、最高のものになるように、最高の『呼吸』が出来るように、自分を広げて、高めていく事しかないような気がしているのです。
 だから、ある意味字数制限は、必要なのですが、正直邪魔なのです。僕が描いている書き手のイメージからすると。
 字数を合わせるために、書いた文章から書き手の息遣いを消してしまうのは、僕には本末転倒のように思えるのです。
 ……まあ、単純に僕が未熟なだけであって、ライブ感を損ねないようにしながら、推敲を行う術、というものも存在するんだと思うんですけれどもね。
 何しろまだ僕は修行中の身なので……長い目で見て頂ければ、なんて思ったり思わなかったりします。
 最終的に、蝶子さんのおっしゃることを体現できるような書き手に成れるよう、精進を怠らないようにしますね!!!
 ありがとうございます!!!

_ 蝶子 ― 2009年06月10日 10時46分20秒

推敲する=こぢんまりまとめる、字数を合わせる
ではありません。

>字数を合わせるために、書いた文章から書き手の息遣いを消してしまうのは、僕には本末転倒のように思えるのです。

本末転倒ですよ、間違いなく。

>ライブ感を損ねないようにしながら、推敲を行う術、というものも存在するんだと思うんですけれどもね。

存在するしないではなく、推敲した結果、何かを損なったとしたらそれは推敲とは呼びません。

まだまだ修業中、と自覚されているようですから心配はしていません。君ならできる!

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月10日 23時47分00秒

蝶子 さん

 教育的指導、ありがとうございます。今、蝶子さんのコメントを読んで襟を正しました。気持ちに、活!を入れられた感じです。(喝!なんだがまあいいでしょう)
 もう最近いろんな事で浮き上がったり沈み込んだり大変なんですが、蝶子さんの変わらない筋の通った姿勢に、安心感のようなものを感じます。
 蝶子さんのコメントを読んでも、じゃあ推敲ってどうやればいいのだろう、というのはイメージとしては頭に浮かんでこないのですが、これはきっと、答えは毎回毎回探し続けるものなのかな、と今の僕なりの結論を出しました。
 多分今回のように丁寧に、自分のその時点でのやり方を試しつつ「こなし」ていって、それをやり続けて、その先に、ようやくぼんやりとコツのようなものが見えてくるのかな、と想像しています。
 頑張ります。頑張り続けます。
 蝶子さんに君なら……なんて言わせてしまったのだから、当然頑張らねばなりません。
 死ぬまで、ベストを尽くします。
 これからもよろしくお願い致します。
 ではでは。

_ ウラジーミル・コマ子 ― 2009年06月11日 02時34分25秒

作者にとって、
生きること、それは現実とむきあうことであり、
変化をやり過ごすのではなく受け止めることであり、
いまあるものを失うこと、であるでしょう。
いま生きている自分を、
たとえば水の上を歩くキリストにたとえれば、
失われたものは過去という水です。
それはいまの自分の足場となっているものです。

ひとはひとの顔を主に見る習慣なのでその足場を見逃しがちです。
しかし、わかるものにはその顔を見るだけで足場が、
いいかえればどういうところを歩き・歩いてきたかがわかる。
「世界が全部が詰まってる」は
そのことを象徴的にあらわした表現だと思います。

過去があるからこそ、
それがいまを支えるからこそ、自分という生がある。
そのことをしかし作者は肯定的にばかりとらえていない。
だから「失フ」というようなタイトルになったのではないか。
折れた定規は、その用途的な有用性だけが価値ならば、
アロンアルファで接着すれば、
新しいのを100円ショップで買ってくれば、ことたりる。
だが、それだとそもそも失われることがありえない。

この作品において、
もしタイトルと内容との間にイメージ的な乖離があるとしたら、
それは作者が書いた内容に対してじゅうぶん距離をとれない位置に
今もいるからではないか?
あるいは、
書かないでおいた補助線がじつは何本かあるのではないのか?
深読みマニアのぼくはそんなことも愚考しますが、
作者としても正解はないでしょう。

推敲はある意味殺すことだと思います。
言葉に命があるのなら。

 ……ナンチャッテ(笑)。

_ 蝶子 ― 2009年06月11日 05時57分23秒

>推敲はある意味殺すことだと思います。

駒子さん、あ失礼、コマ子さん。
逆ですよ。
言葉に命を吹き込むことです。
推敲は、あるときには文章全体を削る作業になるかもしれません。このとき、ただ削るだけだったら「損なう」ことになってしまうでしょうね。
削ったあとの言葉や文章に命を吹き込むのは書き手です。このときすでに言葉や文章が命をもっていたと考えるならば、それを起こして動かす役目だと言ってもいい。
具体的には、削ってしまったあとの残った文章に対し、そのままにしないで語を補うとか、言い換えてみるとか、語順を変えるとかしてみるといいです。
短い文章で、長かった状態と同じことを言おうとすれば文章に「含み」をもたせる、つまり読者に行間を読ませることが必要になります。
簡単なことではありませんが、といって大げさに考えるほどのことでもないです。
「失フ」の行間には、きっと読む人の数だけ意味があふれているし、書き手の時間が満ちている。
だから、君にはできると言いました。
推敲とは自分が書いたものを自分をまったく知らない人が読んだときにどう感じてくれるか、自分の意図が伝わるかを想像することです。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月11日 09時34分09秒

ウラジーミル・コマ子 さん

 冒頭でコマ子さんが書かれている事は、その通りです。
 でも、コマ子さんもそうなのではありませんか?

 『失フ』の最後に出てきたカップルは、常日頃から、もう色んな事を語り明かし尽くしているんだと思うのです。
 だから、別れの時に彼女が浮かべる「泣きそうな笑顔」を見て、「僕」の心には様々な事が去来するのです。
 一緒に過ごしてきた時間って、大切ですよね。当たり前でしたが。

 『失フ』という言葉は確かに肯定的なイメージを含み難い言葉ですが、僕は、それを前向きには捉えようとしているんですよ。もっとも皆さんそうなんではないかなんて思うんですが。

 今回の作品は、なるべく自分に近いところから発信しようとしました。
 もしかしたらそれは、僕のこれからのテーマに為るかも知れない。
 作品と自分との距離、その自覚。
 ありがとうございます。
 胸に留めておきますね。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月11日 09時45分33秒

蝶子 さん

 もう、どうしよう。とても、とっても為になるコメントを、有り難うございます!!!
 今、プリントアウトして、机の前にテープでぶら下げました。常にPCのディスプレイの上に見えている感じです。

> 言葉に命を吹き込むことです。
> 削ってしまったあとの残った文章に対し、そのままにしないで語を補うとか、言い換えてみるとか、語順を変えるとかしてみるといいです。
> 読者に行間を読ませることが必要になります。
 そして、
> 推敲とは自分が書いたものを自分をまったく知らない人が読んだときにどう感じてくれるか、自分の意図が伝わるかを想像することです。

 もう全てが宝物です。
 ありがとうございます。

 いづみさん読んでたら喜ぶだろうになあ……

_ コマ子@携帯 ― 2009年06月11日 15時03分15秒

明快でうらやましいです、蝶子さんは。
「推敲は殺すこと」といったのは冗談なのでこだわりませんが、
推敲については正直なところよくわからない。
なにかはっきりするようになれば書きたい気がしますけど、
いまのこの、言葉になる前のもどかしいなにかの方にも命のうごめきを感じます。
むしろ書き言葉はこれらの死骸、といってみたくなります。
死骸がいいすぎなら、眠り。
目覚めるのは読者の心のなか、だといいのですが。

>作者さま
>でも、コマ子さんもそうなのではありませんか?
すこし違います(笑)。
ぼくにとって生きることとは、
現実から身を守ることであり、
いまあるものをおぼえておくことです。

_ 矢菱虎犇 ― 2009年06月12日 02時28分41秒

大切なものを失うと、心に本当にポッカリ穴が開いて風が抜けていきます。あの感じが実に味わい深く書かれている詩だと思いました。自分がこれまでに失ってきたものを真摯に見つめる姿勢が素敵です。そして失ったものの全てが自分の内奥に内包されていることに気づかせてくれます。文章塾を本当に大切に思ってこられた作者さんの気持ちが痛いです。僕は新参者でただただ当惑しているのですが、だんだんことの大きさを実感してきつつあるんです。

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月12日 08時43分07秒

コマ子@携帯 さん

> むしろ書き言葉はこれらの死骸、といってみたくなります。

 以前、「全てが冗談」みたいなことを言われていたコマ子さんですから真意を読み取れているかどうかは定かではないんですが、ここでおっしゃっていることは、何となくですが分かります。
 というか想像が出来ます。
 けれども今の僕の中には、無い感覚です。
 何だろう、言いたい事が有るのですが、うまく言葉に出来ません。ごめんなさい。

> すこし違います(笑)。

 実は、ものすごく違うのでは!?
 違う人間ですからね、感じ方は違いますよね。
 でも言葉を通じて、伝わり合うものもあるから、不思議ですよね。

 以上、総じて、「頑張りましょう!一緒に!!!!!!」
 ありがとうございます!!!!!!!!!!

_ 『失フ』作者 ― 2009年06月12日 08時50分18秒

 矢菱さんも、もはや文章塾の頼もしい仲間ですよね。(えらそーにごめんなさい)
 きっと、この文章塾が終わりを迎えようとしている激動の時期に、矢菱さんも感じるところがあって、変わり始めるきっかけを得ているところなんじゃないかと想像しております。
 変わりましょう、動きましょう。
 変わってしまうことは悲しいことじゃありません。
 だって全ては今だけじゃないんですから。
 大丈夫です、過去が助けてくれます。
『明日の種を 蒔くのは今日なんだ』
 ドリカムの最近の歌詩です。
 頑張りましょう。僕もどこまで続くか分かりませんが(オイ)、一緒に、頑張りましょう!
 ではではまた。

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