#026-0010「哀しいくなるくらい冷たい雨の降る日にお前に逢いたくなる切ない胸の内を語ろうか…」2008年06月18日 01時55分05秒

或る日の 頁 冒頭

□ガイア:Gaia
 ギリシャ神話の大地の女神

□紫陽花:hydrangea
 ギリシャ語で『水の器』という意味

□久しぶりに舞い込んだあなたからの手紙
 おはようございます
 あちらでは久しぶりにお見掛けできて
 よかったです

 紫陽花は大好きです
 小さい頃は、大きいだけのように思っていましたが
 今はとっても日本らしい花だと情緒にひたっています
 確か日本で生まれた花なんですよね?

 私も紫陽花のようにその時その時で
 変わっていけたらいいと思います
 成長はなかなか難しいので…
 いつまで経ってもいろんなことで未熟で
 すっかり嫌になっちゃいます
   朝からなんとなくぼんやりしています

 では、また

□『六月の雨』がもたらした事象
  露出する“事実”には意味がないので
  暗い雨雲の澱みの底の“真実”も
  ガイアの叫びに慄いて身を隠す。
   つまりふたたび…
  残り香の薄れゆくここにまだ居るわたくしも
  あなたへの想いの糸が切れるとき
  瞑想の衣を纏い自ら“朧”となる。

□うれしいのを隠そうとする私からの返事
 お便りありがとう。郵便受けの確認が遅くなってごめんなさい。このところ表に出ずに独居に篭ることが多くなりました。ついでといってはなんですが、あなたも回復されたご様子 よかったです。私も便りしたかったのですが、観ているだけでした。空気が少し痛かった…

 僕もまた小さい頃は紫陽花の良さが分かりませんでした。枯れかかって萎びたこの花は何かみすぼらしく…哀しくなることがありました。でもほんとうに“水の器”の名に相応しく、若く元気な紫陽花のはきれいです。

 日本原産のそれが、ギリシャで“水の器”になったのを知った時、妙に感動し、花のよさも見えてきたような気がします。私にとって紫陽花は女性です。姿、形を…そして色を変えるその様子が女性です。良い時はえばっていながら繊細で、元気のない時はなりふり構わず萎れている…。

 またお便り下さい。
 跡切れがちでも…話したいです。

         或る日の 頁 終了

(文字数:799)

名前:

コメント

_ トゥーサ・ヴァッキーノ ― 2008年06月18日 11時47分00秒

紫陽花が日本原産なのか、それとも外国の品種ももともと存在するのかってことは、ボクにはわかりませんが、
タイトルをゆっくり読んだらちょっと滑稽な感じがして面白かったです。
内容ですが、たぶん、この作者さんの頭の中で作品の雰囲気が相当できあがっていて、たとえば、夜書いたラブレターみたいで、少しノボセてしまったのかなあという印象を受けました。
作者さんのまじめそうな、一途になりがちな人柄が感じられなくもない文章なので、主観的なものを書くときは、どこかに読者サービスみたいなエピソードを入れてみると、ちょっと自分から離れて、客観的に文章全体を見ることができるのかもしれません。
なんて言ってますけど、ボクもなかなか客観的に自分の文章を読みなおすことができないのが悩みでもあります。

_ ウラジーミル・コマ子 ― 2008年06月19日 23時30分23秒

おなじサナトリウムに病気療養している者同士の文通というような、悲しい未来の手前でいまを生きている様子が浮かびました。あるいはすでに相手は亡くなっていて……などという妄想もしました。なにか懐かしい感じがします。桜桃忌よりもっとひそやかな。ただタイトルの意図は読めませんでした。

_ うらら ― 2008年06月20日 23時12分13秒

タイトルの誤字惜しいですね。「哀しいくらい」と「哀しくなるくらい」とどちらにするか迷われた経緯が察せられて興味深いですが。
こういう形の作品もあり得るというのは目からウロコでした。
「良い時は・・・」のところが好きです。こんな風にみてもらえたら甘えたくなっちゃいますね・・・しまった。年甲斐も無いことを。

_ うらら ― 2008年06月20日 23時16分55秒

タイトルの誤字惜しいですね。「哀しいくらい」と「哀しくなるくらい」とどちらにするか迷われた経緯が察せられて興味深いですが。
こういう形の作品もあり得るというのは目からウロコでした。
「良い時は・・・」のところが好きです。こんな風にみてもらえたら甘えたくなっちゃいますね・・・しまった。年甲斐も無いことを。

_ なぎさひふみ ― 2008年06月24日 18時10分01秒

 文面と想いが交錯して、紫陽花が仲介しているのだろうか。あなたがいて、わたしがいるというように。

_ でんち ― 2008年06月25日 18時50分20秒

六月の男と女。しっとりとしたムードで、雨と紫陽花がいい雰囲気。
六月うまくいく男女は他の月もうまくいくような気になりました。
そんないい感じな二人です。

_ 蝶子 ― 2008年06月26日 18時12分20秒

むっちゃハードボイルドなタイトル、と気負って読んだらすっとかわされたという感じです。
手紙というより、メールのやり取りのように思えました。あいだにあるのは、書き手のどちらかがPC上で検索などして調べた軌跡のような。
なのに、湿気を帯びた紙の柔らかさを感じます。

_ DryGinA ― 2008年06月27日 20時21分24秒

 コメントを下さった皆さんはもちろん、
 通りすがりに読んで下さった方々に感謝いたします。
 ありがとうございました。

 蝶子 さん惜しい! これはメールではなくブログのコメントです。「六月」で、一昨年書いたページを思い出して、その頁を見たら鹿王院さんからのコメントと、間のあいた私の返事がありました。それが、最近一度閉店した 鹿王院 さんの店の再開と、私の久しぶりのここへの投稿に似合っていたので、ちょっと手を加えてみました。
 <http://maxplanck.asablo.jp/blog/2006/06/16/407146#c421256
 ↑これが彼女のコメントです。

 しかしタイトルの誤字… うらら さんからコメントをいただくまで、いぇ、いただいてもにわかには気付きませんでした。誤字……? と思って表題を読み返して、それでも「?」と思ってよく見ると、何と消し忘れだぁ! しまった! と思うのと、何で気付かない? と思うのが同時でした。うらら さんのご推察のとおりここは迷ったところです。「・・くなる」の重複が気になって…。でもけっきょく「哀しくなるくらい・・」にしたつもりでした。

 それを知ったら トゥーサ・ヴァッキーノ さんの表題に関するコメントの「ちょっと滑稽な感じ」が解ったような気がしました。もしかしたら氏は『哀しぃくなる』とお読みだったか…と。しかし「一途になりがちな人柄」が見えてしまいますか…? そうなんです。僕はまじめで……でも、一途になってもストーカーにはなりません。

 ウラジーミル・コマ子 さんからご指摘の、よく解らない“タイトルの意図”ですが、あはっ、僕にも…??…です。ただこれが途中でつまづいた創作文の書き出しで、捨てるには惜しかったものですからタイトルにしてしまいました。『人に触れたい』という想いを、本文でも示したかったのです。人恋しくなる桜桃期は、いつも雨でした。

 でんち さん、蝶子 さんは、僕らふたりが互いの距離を静かに楽しんでいる様子を読み取ってくださったようですね? そうなんです…とは私の片想いですが…。なぎさ さんもこの“ふたり”が通わせる想いの交錯には紫陽花の介在が必要だったと云われています。なぎささん…おひさしぶりです。

 こんな「頁」を演出してもいいかな?って思いました。
 誤字がなくても…すこし滑ってたかもしれません。
 真ん中辺りの『六月の雨』は、時々やる僕の遊びです。
 そう……各行の頭を並べると…即ち『六月の雨』
 この辺りの自意識過剰が滑りの真因かもしれません。
    ありがとうございました。 2008-06-27 DryGinA

_ 木の目 ― 2008年07月01日 19時44分05秒

7月になってしまいました。
的外れなコメントご容赦ください。
ブログのコメントを読んで
2年前のことを思い出しておりました。
いろんなことのあったかけがえのない月日です。
いまこちらは、透き通って何もなくなった、青空です。

_ つとむュー ― 2008年07月15日 12時40分33秒

へえぇ、紫陽花って、日本原産の花なんですか(知らなかった)。
日本では紫陽花は梅雨に咲くので、”水の器”と言われるとなかなかしっくり来ますが、地中海気候のギリシャでどうして”水の器”になったのか、そのいきさつが知りたくなりました。”日本では雨の季節に咲く花”ということがギリシャに伝わって”水の器”という名前になったのなら、何かロマンを感じてしまいます。

_ augustinaroehl.jimdo.com ― 2017年08月12日 00時27分31秒

Thank you for the good writeup. It in fact was a amusement
account it. Look advanced to more added agreeable from you!

By the way, how could we communicate?

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック