#003-0036 「小さな箱の中で」赤い繭 さん ― 2005年12月12日 12時19分42秒
「住」=「自分の家」=「自分の帰る場所」=「家族」>「自分」
の等式を意識したのは中学のとき
安部公房の「赤い繭」を読んだことに始まる。
『自分には帰る家がない。
ようやく捜し求めたら、今度は家に帰る自分がない。』
中学生の頭脳ではまったく理解できない小説である。
何度読み直しても分からない。解説・解題でもあれば少しは心が
晴れたのかも知れない。それを手にする方法も分からず、
理解の糸口も見つからぬまま時は過ぎる。
頭の中は混乱を極める。出口のない迷路に迷い込んでしまった。
現実には「帰る家もあり、帰る自分もいる。」
考えてはならぬことを考えてしまったことに対するワクワクする押さえ切れない感情。
非現実から抜け出せない魅惑、長い間その魅惑の中でまどろんでいたことを思い出す。
その後、高校受験に向けての堀辰雄や武者小路実篤らの小説長文読解で、現実世界に
戻された。
あれから何年経つたのだろう。自分が生まれる前から自分の家族に土地が与えられ、
家族だけの為に建てられた家がある。そこにまた新しい家族が生まれ自分がこの家を
引き継いだように、新しい家族にその等式にまま引き継がれてゆく。
家というものは、永遠に家族をそこに引き留めておく[小さな箱]なのかも知れない。
作家安部公房の仕掛けた小説の罠につかまったままでいる限り、自分はこの[小さな箱]の
中から抜け出すことはできない気がする。
いつか自分が息絶えたとき[小さな箱]の中で私は繭になる夢を見ている。
小説の最後で「赤い繭」は息子の玩具箱に移されるが、どうか息子よ!君の玩具箱ではなく、
私の古い家族が居る仏壇に移してくれ。
の等式を意識したのは中学のとき
安部公房の「赤い繭」を読んだことに始まる。
『自分には帰る家がない。
ようやく捜し求めたら、今度は家に帰る自分がない。』
中学生の頭脳ではまったく理解できない小説である。
何度読み直しても分からない。解説・解題でもあれば少しは心が
晴れたのかも知れない。それを手にする方法も分からず、
理解の糸口も見つからぬまま時は過ぎる。
頭の中は混乱を極める。出口のない迷路に迷い込んでしまった。
現実には「帰る家もあり、帰る自分もいる。」
考えてはならぬことを考えてしまったことに対するワクワクする押さえ切れない感情。
非現実から抜け出せない魅惑、長い間その魅惑の中でまどろんでいたことを思い出す。
その後、高校受験に向けての堀辰雄や武者小路実篤らの小説長文読解で、現実世界に
戻された。
あれから何年経つたのだろう。自分が生まれる前から自分の家族に土地が与えられ、
家族だけの為に建てられた家がある。そこにまた新しい家族が生まれ自分がこの家を
引き継いだように、新しい家族にその等式にまま引き継がれてゆく。
家というものは、永遠に家族をそこに引き留めておく[小さな箱]なのかも知れない。
作家安部公房の仕掛けた小説の罠につかまったままでいる限り、自分はこの[小さな箱]の
中から抜け出すことはできない気がする。
いつか自分が息絶えたとき[小さな箱]の中で私は繭になる夢を見ている。
小説の最後で「赤い繭」は息子の玩具箱に移されるが、どうか息子よ!君の玩具箱ではなく、
私の古い家族が居る仏壇に移してくれ。
コメント
_ たまどん ― 2005年12月14日 11時34分20秒
居住スペースとしての「家」と、家族という絆を意味する「家」。居住スペースが家族の根となる姿が見えてきます。考えさせられます。
_ 錆びたレール ― 2005年12月15日 19時24分43秒
▽:
とりあえず改行は自分の言葉のリズムのところとか段落の後だけにして
見た目のための改行は上手く反映されないから止めたほうがいいです。
ちょっとリズムが悪い目だけれども文章に潜む意志は明確で
読んだ人にいい影響を与える文章です。
お香の立ち込めた仏殿のよう
△:
家を継承できる立場の場合
とにもかくにも固定資産税を払える甲斐性と相続税を払う財力が無いと
先代から土地も没収です。
なんか納得のいかないシステム
あと失う前にいるものに対してできるものできることってのはやっておきたいものだと
そんな事を再認識させていただきました。
とりあえず改行は自分の言葉のリズムのところとか段落の後だけにして
見た目のための改行は上手く反映されないから止めたほうがいいです。
ちょっとリズムが悪い目だけれども文章に潜む意志は明確で
読んだ人にいい影響を与える文章です。
お香の立ち込めた仏殿のよう
△:
家を継承できる立場の場合
とにもかくにも固定資産税を払える甲斐性と相続税を払う財力が無いと
先代から土地も没収です。
なんか納得のいかないシステム
あと失う前にいるものに対してできるものできることってのはやっておきたいものだと
そんな事を再認識させていただきました。
_ おさか ― 2005年12月15日 19時26分51秒
阿部公房「赤い繭」、読んでみたくなりました。それからこの文を読むとまた違った気持ちになるかもしれません。
_ でんち ― 2005年12月15日 21時04分57秒
「住」で何か書こうと思ったとき、まず「箱男」みたいなの書けないかなと思いました。[小さな箱の大きな家族]と[箱男]、考えてはならぬことを考えたい衝動にかられるが、何も考えられない。考えられないけれども考えさせられる作品でした。
_ 木の目 ― 2005年12月16日 21時43分04秒
ごめんなさい。
阿部公房が苦手で、内容にコメントできるほどの知識を持ち合わせていませんでした。
失礼いたします。
阿部公房が苦手で、内容にコメントできるほどの知識を持ち合わせていませんでした。
失礼いたします。
_ ぎんなん ― 2005年12月16日 23時59分51秒
安部公房のその作品を知らない。
だから読んでも謎だらけ。
安部公房を読めば謎が解けるのか、と言うと
より一層の謎をかけられるだけのような気もして、
うーん、でもその謎に敢えて迷い込みたいような気もする、
そんな文章でした。これは感想なのか、それも謎。
だから読んでも謎だらけ。
安部公房を読めば謎が解けるのか、と言うと
より一層の謎をかけられるだけのような気もして、
うーん、でもその謎に敢えて迷い込みたいような気もする、
そんな文章でした。これは感想なのか、それも謎。
_ ukihaji-12 ― 2005年12月17日 07時19分15秒
大変感動的な文章でした。 私も貴方と同年代にして人生の齢を重ねた者、相憐れむと言いますか同感です。 ブログを始めたのは、孫・子に遺す私からの最大のメッセージ、将来人生の何たるかも、多少解るようになってくれた時、自らパソコンを開いて読んで貰いたい為です。 己と家族との繋がりも確りと、考えて貰いたいのです。
_ 椿 ― 2005年12月17日 13時23分42秒
「赤い繭」というのを初めて知ったのですが、何となく不思議な感じで、一度手に取ってみたいと思いました。
確かに・・・最後はおもちゃ箱より、仏壇(お墓)ですねぇ。
息子さんへの投げかけにちょっと笑えました。失礼。
確かに・・・最後はおもちゃ箱より、仏壇(お墓)ですねぇ。
息子さんへの投げかけにちょっと笑えました。失礼。
_ 赤い繭 ― 2005年12月19日 17時28分01秒
8人の先輩方々、コメントをいただき心より感謝申し上げます。
誰も見向きもしてくれないのでは?と心配していました。
これで仲間にいれてもらえたのかな?と安堵してます。
800文字までに残された文字を使ってもう一歩踏み込みたかったのですが、頭の中の言葉(イメージ)を文章に出来ませんでした。その悔しさを紛らわすために見た目に逃げてしまいました。そして<錆びたレールさん>のご指摘のとおり失敗してしまいました。反省!!
今後も言葉と云う果てしない闇を旅したいと考えています。コメントという自分とっての一条の光を与えていただければと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
誰も見向きもしてくれないのでは?と心配していました。
これで仲間にいれてもらえたのかな?と安堵してます。
800文字までに残された文字を使ってもう一歩踏み込みたかったのですが、頭の中の言葉(イメージ)を文章に出来ませんでした。その悔しさを紛らわすために見た目に逃げてしまいました。そして<錆びたレールさん>のご指摘のとおり失敗してしまいました。反省!!
今後も言葉と云う果てしない闇を旅したいと考えています。コメントという自分とっての一条の光を与えていただければと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
_ ふう ― 2005年12月20日 10時30分02秒
読後、どこか切ない思いが残りました。
「赤い繭」の結末をその文章の背景に抱えつつ、息子さんへ伝えたい思いを綴られていると感じたからでしょうか。。
冒頭の「赤い繭」、、迷い込んだ迷路のなかで手探りされて居ラッしゃるあいだの心の中の描写に、引かれました。迷路、、でありながら、ワクワクし、魅惑、だとおっしゃる。。。
想像をふくらませて読まさせられる奥深い文章です。。
「赤い繭」の結末をその文章の背景に抱えつつ、息子さんへ伝えたい思いを綴られていると感じたからでしょうか。。
冒頭の「赤い繭」、、迷い込んだ迷路のなかで手探りされて居ラッしゃるあいだの心の中の描写に、引かれました。迷路、、でありながら、ワクワクし、魅惑、だとおっしゃる。。。
想像をふくらませて読まさせられる奥深い文章です。。
_ ぽかぽか ― 2005年12月25日 01時45分17秒
心情描写って、何よりも難しいですよね。でも、伝えたいことがある!という気持ちは伝わってきました。
『赤い繭』を読んだことがないので、踏まえて読めば、違った感じが得られるのでしょうか。
阿部公房に興味が湧きました。
『赤い繭』を読んだことがないので、踏まえて読めば、違った感じが得られるのでしょうか。
阿部公房に興味が湧きました。
_ いくにゃん ― 2011年10月10日 18時26分28秒
赤い繭。
赤眉の乱とは関係ないんですよね。
ラストでは
何が自由なのか、幸せなのか、
欲望は満たされないのか、などを
考えさせられました。
管理者さま、良いご感想を
お持ちですね。
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